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2007年9月14日 (金)

知識より実務

前回、「どのような資格を持っているか」ではなく「具体的に何ができるか」でという点について書かせていただきました。



私は5年ほど前から公的職業訓練機関において、電子納品に関する講座講師を担当させていただいています。


5年前と言えば、国の発注機関における電子納品が本格化し始めた頃になります。

受注者の皆さんにとっては、新しく導入される電子納品業務に、不安をいだく方も多かったため、最初の頃は「電子納品とは何か」と、非常にアバウトなテーマでお話しさせていただきました。

まずは電子納品業務の概要を知り、受注者として最低限の知識を身につけようとの考えが主でした。


ちょうどその頃、国は建設CALS/ECの普及を図る事を目的としCALS/EC資格制度を発足させました。

それに伴い2001年からCALS/ECエキスパート(RCE)試験が、翌年からCALS/ECインストラクタ(RCI)試験が実施され現在に至っています。

その窓口は財団法人日本建設情報総合センター(通称JACIC)です。

平成19年8月1日現在、資格登録者数はRCEが350名、RCIが2578名、合計2928名と、多くの建設CALS/EC専門家が全国に存在している事になります。

今月28日には今年度試験の合格者が発表され、その後登録者数は増加する事になります。

私も2004年にRCE資格を取得しました。

一応、電子納品の知識をある程度有している者と位置づけされています。


私が担当してきた講座も当初は電子納品に関する知識からスタートしているのです。

しかしその講座も2005年度実施分から内容に大きな変化が見られてきました。

それはある程度電子納品に関する知識を有してきたため、次は実務を主とした講座を求める声が大きくなってきたのです。

その一例が「知識より実務」という点で昨年度実施された「建設イラスト講座」です。

正直この「建設イラスト講座」にRCE資格はあまり関係ありません。

また受注者にとって電子納品業務と直接的関係があるように思われない方も多いかと思います。

しかし広義に考えるとこの講座は、電子ファイルを作成するという点で電子納品と無縁ではありません。



現場技術者の多くは、書類作成にMicrosoftExcelを使用しています。

また、書類の中で説明用に多くのイラスト、特に建設関連イラストを利用しています。(この方が説得力や認知度の向上性があります)


しかし、イラストの多くが画像作成・編集専用ソフト(Illustrator、Photoshop、Paintshop etc....)やそれに類したシェアウェアやフリーソフトを使用して作成されている場合が多いのです。

その結果画像専用ソフトが苦手という方も多く、もっと簡単に建設イラストを作成してみたいと考えている方も多いのが現実です。



そんな中、現場技術者の夢を実現した方と私はブログで知り合う事ができました。

その方はExcelが標準で有する機能のみを利用し、素晴らしいイラストを作成されているのです。

現場技術者からすればまさに

「目から鱗」です。


すでにそのブログは全国に知れ渡っていますが、

道路工事中につきご協力を・・・(管理人:nikumaruさん)です。

何とブログ内で作成方法を丁寧に解説されているばかりでなく、作成されたイラストを無償ダウンロードできるようになっているのです。

何とも太っ腹な方です。

私も早速自分が担当する講座で使用させていただく事をお願いしたところ、快く了承いただく事ができました。

しかも特段の条件もなくです。

本当に感謝の一語に尽きます。



講座は公的職業訓練施設で12時間実施され、CPDS認定も受ける事ができました。

ちなみに12時間全てをイラスト作成に費やした訳ではありません。

当然電子納品関連内容が中心であり、その中で2~3時間程度、前述のnikumaruさんサイトを閲覧しながら実施させていただきました。

時間的に短いように思いますが、あくまでもきっかけ作りが目的です。

その後はnikukmaruさんサイトを参照しながら自己スキル向上されている事と思います。



お気付きの方も多いかと思いますが、私としては感謝の意を末永く残す意味も込め、当ブログTOP画像にその際の講座状況写真を使用させていただいています。

あらためましてnikumaruさんありがとうございました。

今後もまた使用させていただきますのでよろしくお願いいたします。



今回、初めてこのような講座を実施して痛感したのは、通常の電子納品に関する理論講座(知識)と違い、このイラスト講座(実務)では受講生の眼差しが格段に違っていた点です。

理論・知識中心の眠たい講習よりは、明日から実践できる実務ソフトのノウハウ習得を受講生の多くは求めているのです。


このような結果を踏まえここ最近の講座傾向は知識編よりは実務編へとシフトし始めています。


受講生の方からすると、現場で使える技を習得したいという願望の大きさが表れています。

私としてもその要望を実現すべく、自分自身のスキル向上に毎日励んでいるところです。



次回は、講座で使用した建設関連実務ソフトの具体例について書きたいと思います。




それでは。

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コメント

太っ腹です(笑)

ソフトの基本操作のヒントだけですから「太っ腹」と言われることはありません(笑)
(体型のこと?・・・)

講座の幅を広げる意味では、電子納品も大切ですが、やはり実務・・受講者は書類の効率化や差別化に興味があると思います。

私も「イラストだけじゃない」という所をそのうちに・・・!?

投稿: nikumaru | 2007年9月14日 (金) 12時01分

■nikumaruさん
9月になりましたので、来年実施予定講座のカリキュラム概要を先方へ提出する時期となってまいりました。
イラスト講座は継続して取り入れていきたいと考えていますが、それ以外でも何か実務に関する内容を講座の中へ組み込みたいと考えています。
どうぞ良い知恵をお貸し下さい。

投稿: 北海太郎 | 2007年9月14日 (金) 17時23分

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