人生の哲学 #10 『身をもって範を示す』
人生の哲学、10回目をお伝えします。
今回は少し自分自身の反省を込め書かせていただきます。
皆さんが勤務されている会社社長はどのようなタイプの方でしょうか。
私が過去に勤務していた2つの会社では両社ともワンマン社長でした。(私の目から見て)
というか、中小零細企業の社長はもしかするとそのようなタイプが多いのが実態ではないでしょうか。
しかし私はワンマンがすべて悪いという事で否定したくはありません。
いい意味で独断的な強引さが会社を存続させている場合も数多くあります。
私がサラリーマン時代はまだ景気も良く、給与や賞与に対する不平不満は今ほど多くはなかったかと思います。
(給与・賞与に関しては常に不平・不満はつきものですが・・・)
しかし会社は生き物であり生ものです。
食べなければ死に至るし、何もせず黙っていると腐ってしまいます。
そんな中で経営陣から今まで以上に厳しい目標や労働条件が提示されてくる時代となってきました。
そんな時代に悪戦苦闘されている方も多いのではないでしょうか。
さて、本日のテーマは「身をもって範を示す」です。
どの会社もその規模に関わらず営業目標や社内規範を定めている所が多いかと思います。
でもこの目標や規範は往々にして社員に向けたものになる場合が多くなってしまいます。
会社が定めたものであれば社員に限らず当然経営陣もそれを遵守しなければなりません。
しかしながら特に中小・零細企業においてはワンマン社長が多く、その規範の実行は一方的に社員に押しつけられる場合が多いかと思います。正直、当社に於いても過去そのような時期があったと私は認識し今になり猛省しています。
この事は会社経営に限らず、家庭における子供の対する躾、教育にも共通している事と思います。
厳しい目標を社員にのみ押しつけ社長はのうのうとしている姿は決して好ましい姿とは言えません。
上に立つ者こそしっかりと遵守しなければなりません。
まさに企業におけるコンプライアンスです。
最近オフィス内の仕切を取り払い、フロア内の行動が見える形にする企業が増えています。ある意味これは、互いのコンプラアンス効果を高める潜在能力があるようです。
同じフロアには管理職のみならず、社長を筆頭に役員も配置している企業すらあります。
これには異論も多いかと思いますが「社長はいつも社長室で何をしているのだろう?」という、社員の素朴な疑問は少なくとも払拭されます。
そして社長のやる気は社員のやる気に伝わります。
それでは、経営の神様はどう考えていたのでしょうか
『身をもって範を示す』
指導者というものは、いろいろなかたちでみずから信じるところ、思うところを人びとにたえず訴えなければならない。と、同時に大切なのは、そのことを自分自身が身をもって実践し、範を示すようにつとめていくことであろう。”百日の説法屁一つ”ということわざもあるように、どんなにいいことを説いても、その成すところがそれに反していたのでは、十分な説得力は持ち得ない。もちろん、力及ばずして百パーセント実行できないということもあろう。というよりもそれが人間としてしての常かもしれない。しかし、身をもって範を示すという気概のない指導者には、人びとは決して心から従わないものである。
出典:松下幸之助「一日一話」八月1日 PHP総合研究所。
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コメント
このことを基本として仕事をするようにしています。もちろん家庭内でも(笑)
社長と云うものは一度でも失態を社員に見せてしまうと、ずっと社員の中で話がされるものです。日ごろから気をつけておかなければなりませんね。
それから会社の上司で、”部長”ぐらいになると以前は好き勝手なことをしていたものの急に部下を締め付ける役に変わる人がいます。でももう手遅れですよね。「平社員だったころは・・・・」といつまでたっても噂されるものです。
でも、部下から尊敬される人であれば例外もありますね。
投稿: もぐら | 2007年10月 5日 (金) 21時22分
■もぐらさん
その通りですね。
もぐらさんのコメントを読ませていただき「ハッ!」としました。
私自身思い当たる事が・・・そして思い当たる人が・・・
投稿: 北海太郎 | 2007年10月 5日 (金) 21時30分