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2007年10月22日 (月)

MICHIシステム #5

MICHIシステムの5回目です。このシリーズも今回で一応最終回とさせていただきます。

北海道開発局における「出来形(しゅん工)完成平面図」に関する最新情報は、来月開催予定の説明会以降に再度紹介できればと思っています。

前回までの記事では「道路施設基本データ(MICHIデータ)」「道路工事完成図(完成平面図)」のうち、前者の「道路施設基本データ(MICHIデータ)」に関して説明してきました。

いわゆる従来から踏襲されているMICHIシステム部分です。

●道路施設基本データ(MICHIデータ)
1.道路施設基本データ(電子データ
2.道路施設平面図(道路維持台帳附図等)
3.イメージデータ(現況写真、一般図等の電子データ)
4.その他関係資料

今回は、昨年8月に策定された道路工事完成図作成要領(以下、作成要領という)によって作図が義務づけられた道路工事完成図(以下、完成平面図という)について説明します。

●道路工事完成図(完成平面図)
5.完成平面図

完成平面図はCADファイルとして作成します。
またファイル形式はSXF(P21)となっています。

それでは具体的な内容について説明します。

 







これからの説明は作成要領19頁「II.作成編 1.完成平面図」を参照しながらお読みいただくとより分かりやすいかと思います。

まず作成にあたり下記5項目に留意します。

1-1.作成範囲

1-2.作成形状

1-3.地形情報

1-4.距離標

1-5.旗上げ

それぞれの内容については作成要領を参照願います。



作図すべき地物データ及びそのデータを格納するレイヤ、またその図形要素ラスター)は作成要領30頁「7)レイヤ分類 表8 レイヤ分類一覧表」を参照して下さい。



完成平面図を端的に説明すると、道路管理区域内に存在する地物を作成要領に基づき作図するものです。


取得対象となる地物については作成要領25頁「5)取得対象項目 表4 取得対象とする地物項目」を参照願います。作成要領では29種類地物項目が書かれていますが、各地方整備局によっては独自の取得すべき地物が存在する場合がありますので、その場合は各地方整備局策定の作成要領(案)を参照願います。


作成に用いる図形は、「点データ」、「線データ」、「面データ」の3種類です。

1.点データ(点) (ex.距離標、斜面対策工)

2.線データ(直線、円弧) (ex.道路中心線、管理区域界、区画線、停止線 etc...)

3.面データ(面「ハッチング」) (ex.車道部、歩道部、横断歩道、切土法面、盛土法面、橋梁、トンネル etc....)



当該工事施工区間においてどの地物があるかを取得し、それを図面上に作図する事になります。

作図にあたり留意すべ事項がいくつかあります。(作成要領より抜粋)
※詳細は作成要領20頁「1-2.データ作成」を参照願います。

1.ファイル作成
完成平面図のファイル形式は、図形データに任意の属性データを付与することができるSXF Ver.3.0 の仕様に準拠するものとし、図形データ等を格納するファイルはP21 形式、属性データを格納するファイルはSAF 形式とする。ただし、当面(SXF Ver.3.0 対応の市販CAD が普及するまでの間)は、暫定的な対応として、SXF Ver.2.0 の仕様に準拠したP21 形式で代用することができる。

※【北海太郎一口メモ】
完成平面図作成のSXFバージョンは監督員と協議し決定します。SXF Ver2.0にて作成の場合は、現在皆さんがご使用のCAD(P21形式に対応)を使用する事により作図可能かと思いますが、SXF Ver3.0にて作図する場合は属性情報ファイル(.SAF)作成はSXF Ver3.0に対応したCADを利用しなければ作成できません。SXF Ver3.0に対応しているCADはOCFホームページにてご確認下さい。


2.ファイル単位
完成平面図のファイル単位は、原則1工事1ファイルとする。
ただし、工区が不連続な場合には、複数ファイルとすることもできる。


3.部分図の利用
完成平面図の作成においては、SXF 仕様書における部分図の概念に基づき、全ての図形を一つの部分図に作図する。

4.座標設定
完成平面図の座標系は世界測地系平面直角座標系とする。発注図の座標系が日本測地系であった場合、座標変換を行う。
なお、作図におけるCAD ソフトの設定は次のとおりとする。
・ 座標設定は、「測地座標系」を基本とする。
・ 部分図の原点(0,0)は、平面直角座標系の原点(0,0)と一致させる。
・ 作図は実寸で行い、P21 形式へ出力するときの単位はミリメートル(mm)とする。


5.取得対象項目 
※( )内数字は作成要領の頁数を示しています。

完成平面図は、表 4(P25参照) に示す29 種類の地物項目を取得対象とし、請負工事の施工対象に関わらず、施工工区の道路区域内における全ての地物項目を取得するものとする。
ただし、表 5(P25参照) に示すように、本要領で定める形式で既設の地物が既に作図された平面図を発注図として貸与される場合には、施工対象の地物項目のみを更新し、完成平面図を作成するものとする。
また、各地物項目の取得にあたっては「6) 図形データ作成」の作図ルールに従うものとし、作成したデータについては「7) レイヤ分類」に規定するレイヤへ格納するものとする。特に「道路面地物」に分類される9 種類の面データについては、隣接する面データの境界線が一致するよう留意する。なお、距離標の取得については「10)距離標の取得」に従うものとする。


6.図形データ作成
・作成する図形の種類
完成平面図の作成に用いる図形は、「点データ」「線データ」「面データ」の3 種類とし、それぞれ使用可能な図形要素を表 6(P27参照) に示す。
なお、地物毎に用いる図形の種類(形状)は、巻末資料1 を参照のこと。

・作図ルール
図形の作図にあたっては「CAD 製図基準(案)」に準拠した上で、表 7(P27参照) の作図ルールに従うものとする。


7.レイヤ分類
本要領に従い作成した地物データは、表 8(P30参照) の太枠で囲んだレイヤに格納する。また、その他のデータは「CAD 製図基準(案)」に従いその他のレイヤに格納する。


8.図形データの単位
図形の作成にあたっては、施工対象箇所の図形と既設箇所の図形を区分するものとする。
また、同区分の図形については、極力分割しないことが望ましいが、作業の都合上やむを得ない場合はこの限りでない。


9.属性入力
完成平面図の各地物には、表 9(P33参照) に示す属性項目を入力する。属性項目のうち“設置日”については、施工対象箇所は工事完了日とし、既設箇所は既存の完成平面図に工事完了日が記載されている場合にはその日とし、不明な場合には“不明”と入力する。


10.距離標の取得
距離標の属性として入力する緯度経度高さについては、別途現地計測された距離標の情報監督職員より借用して利用するものとし、必ず2点以上確保するものとする。
ただし、新設舗装工事で距離標が未整備である場合には、設計・施工時の測点情報を代用することができる。
また、道路修繕工事において、現地計測された距離標を2点以上確保できない場合には、その後の測量実施を勘案し、工事区間の起終点近傍の百米標2点の測量について、監督職員と協議を行うこととする。


11.地形情報
完成平面図の地形情報は、発注図のデータ形式(ラスタ形式またはベクタ形式)に従い、該当するレイヤに格納する。ただし、発注図が紙ベースである場合には図面のスキャニングを行いラスタ形式のデータを作成する。
ラスタ形式の地形図については、外部参照等により所定のレイヤに配置するものとする。
また、ベクタ形式の地形図については、「CAD 製図基準(案)」に従い、等高線の計曲線や主曲線等の地形情報を所定のレイヤに格納するものとする。


12.図面様式
完成平面図の出力用の図面様式は、「CAD 製図基準(案)」に準じ、以下のとおりとする。
・ 用紙の大きさは、天地方向はA1を標準とし、幅は工事区間延長に応じて必要な長さとする。
・ 右下には図面表題欄を作成する。
・ 縮尺は1/500 または1/1000 とする。


※データ貸与と請負者の作業
発注者は本要領に従ったCAD データを発注図として請負者に貸与し、請負者はこのデータを基に完成平面図を作成する。
発注者が本要領に従った形式で発注図を貸与できない場合、これに代わる発注図を貸与し、請負者は本要領に従ったCAD データを新規に作成するものとする。


前記内容に準拠し地物を作図していきます。

作図するレイヤ名は作成要領30頁「7)レイヤ分類」に準拠します。

※道路工事完成図等作成要領に対応したCADの場合、地物の選択により作成要領に規定されているレイヤを自動生成するシステムが多くなっていますので、この場合手動での作成が不要となります。


SXF Ver3.0で作成の方はそれと同時に属性情報を入力します。

どのような属性情報を入力するかについては、作成要領巻末資料「1.完成平面図における地物作成仕様」を参照願います。


なお、SXF Ver2.0で作成される場合、この属性情報をCAD図面上に入力する事ができませんので、距離標のみの属性情報を別途「距離標属性入力支援ツール Ver.1.0」にて作成します。

「距離標属性入力支援ツール Ver.1.0」道路工事完成図等作成支援サイト → 「ダウンロード」 → 「作成支援ツール」 → 「距離標属性入力支援ツール Ver.1.0)」 → 「Download(LZH形式:0.5MB)」よりダウンロードして下さい。

SXF Ver2.0にて作成する場合は、作成要領巻末資料「2.SXF Ver2.0による完成平面図の作成方法」を参照願います。




作図が終了しましたら、完成平面図のチェックを行います。

前回ご紹介の「道路工事完成図等チェックプログラム(Ver1.05)」を使用して行います。


前回も説明しましたが、チェックには大きく4つのパターンがあります。

1.全データの最終チェック

2.完成平面図データのチェック(SXF Ver3.0)

3.完成平面図データのチェック(SXF Ver2.0)

4.道路施設基本データのチェック

前回の道路施設基本データ(MICHIデータ)については「4.道路施設基本データのチェック」にてチェックを行いました。


今回は、まず完成平面図を作成したSXFのバージョンにより「2.完成平面図データのチェック(SXF Ver3.0)」もしくは「3.完成平面図データのチェック(SXF Ver2.0)」のいずれかでチェックを行います。

エラーが発生の場合はエラー内容を確認し修正を行います。



完成平面図のエラーが無いことが確認できましたら、電子納品成果物の完成図面フォルダ(DRAWINGF)に格納します。

完成図書(書類、写真、図面等)を電子納品出力し、電子納品チェックシステムにてチェックしエラーが無いことを確認します。


最後にこの電子納品データと審査機関にて審査を終えた道路施設基本データ(MICHI)データ合体します。

合体は道路施設基本データ(MICHIデータ)作成に使用した、「道路施設基本データ作成支援システム Ver.2.0.8」にて行うことができます。



そして最後に「道路工事完成図等チェックプログラム(Ver1.05)」「1.全データの最終チェック」を実施します。

ここでエラーなければOKです。



あとは、作成要領63頁記載の「5.電子納品時の確認方法」に示されている下記内容を確認し必要な提出物を用意し発注者監督職員へ提出します。

請負者は、電子成果品の納品時に以下の出力資料を監督職員へ提出するものとし、監督職員は当該資料に基づく内容確認を行うものとする。なお、出力資料のうち、完成平面図の出図を行う場合は、SXF ブラウザVer.3.0 を使用し、図面のフッターSXF ブラウザで印刷したことを示す印字があることを確認すること。

・完成平面図※
・チェック結果記録(様式1)
・「完成平面図」チェック結果記録(様式2)※
・道路施設基本データの審査結果記録
・道路工事完成図等チェックプログラム結果ログ
※完成平面図作成の適用工事のみ提出する資料

【解説】
請負者は、電子成果品の納品にあたって、打合せ記録簿や施工計画書、現場写真等の従来の電子データに加え、表 21 上段に示す電子データをCD-R 等の媒体に格納して監督職員へ提出し内容確認を受けるものとする。また、請負者は、本要領に関する内容の確認用資料として表 21下段に示す資料を用意し、電子成果品と併せて監督職員へ提出するものとする。



表 21 電子成果品の納品時における提出物(本要領関連)

●電子成果品(CD-R に格納)
・工事管理ファイル(INDEX_C.XML )
・図面管理ファイル(DRAWINGF.XML )
・図形SXF データ(拡張子 .p21)
・属性XML データ(拡張子 .saf)
 (SXF Ver.2.0 では距離標属性データ(拡張子 .csv))
・ラスタ地形図TIFF データ(拡張子 .tif)
 (背景図として利用している場合)
・その他管理ファイル(OTHERS.XML)
・道路施設基本データ管理ファイル(ORG999.XML)
・道路施設基本データ詳細情報(拡張子 .csv)
・道路施設基本データイメージ情報(拡張子 .jpg,.p21,.pdf)


●出力資料(紙出力)

・チェック結果記録(様式1)
・完成平面図※
・「完成平面図」チェック結果記録(様式2)※
・道路施設基本データの審査結果記録
・道路工事完成図等チェックプログラム結果ログ

※「完成平面図」作成の適用工事のみ提出する資料



以上が道路工事完成図作成要領の全容となります。






※請負会社現場代理人様へ

今回のシリーズをお読みいただいてお分かりのように道路工事完成図全般(MICHIデータ「審査機関との連絡調整含む」完成平面図)がいかに多くの作業課程が含まれるかご理解いただけたかと思います。現実問題として、請負金額に含まれるこれら図面作成費は実際外注した際に発生する費用と比較し、残念ながら大きな差異が生じております。したがって外注される場合はこの点をお含みいただきご対応されますようお知らせいたします。



最後に、北海道開発局工事における「出来形(しゅん工)完成平面図」の見本をお見せしたいと思います。(JPEG化したため不鮮明な点をご了承願います)

ここで私見”を書かせていただきます。

北海道開発局において、道路工事完成図等作成要領に規定している完成平面図より「出来形(しゅん工)完成平面図」が優先されているかは、皆さんも実際に下記図面を参照頂けると理解いただけるかと思います。

クリック→ 「出来形(しゅん工)完成平面図」 


実際に道路を維持管理する上で、平面図上に出来形が記載されていた方が取り扱いが大変便利です。


現状の作成要領に基づいた完成平面図でもSXF Ver3.0にて作成された場合は図面上の施設属性を表示取得できますが、SXF Ver2.0にて作成した場合は別表(施設詳細一覧等)もしくは電子納品された電子データよりの取得が必要となります。


実際問題として私が得ている情報の範囲では、昨年度作成要領に基づき納品された出来形(しゅん工)完成平面図(完成平面図含む)はその多くがSXF Ver2.0で作成されていると聞いています。

もし私が道路管理者であれば、出来形(しゅん工)完成平面図の方が道路維持管理上取り扱いが便利であり利用し易いと考えます。


私の個人的結論としては、将来のGISでの利用に向けての整備も当然必要ですが、実際の日常管理面ではアナログ情報も非常に有用である事を理解しなればならないという点です。

いずれにしても新しいシステム移行に際しては一部データの重複や煩雑性が生じるのは止むを得ないことなのかもしれません。




北海道開発局工事を担当されている皆様へは来月開催予定の説明会後に再度最新情報をお伝えできればと思っております。




それでは。

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コメント

MICHIシステムの解説、ありがとうございました。

後でもう一度じっくり読み直したいと思いますので、テキストとして私の資料にしてもよろしいでしょうか?

出来形完成平面図の方も、楽しみにしています。

投稿: ちょーろー | 2007年10月23日 (火) 09時34分

■ちょーろーさん
今回のシリーズをお読みいただきありがとうございました。

>テキストとして私の資料にしてもよろしいでしょうか?
特に問題はございませんので、ご活用下さい。
(但し、第三者への配布等についてはご一報いただけると幸いです)

出来形完成平面図の方は北海道開発局説明会後に記事を予定していますが、基本的に独自の施設、地物、レイヤ部分が主体になるかと思います。

投稿: 北海太郎 | 2007年10月23日 (火) 14時55分

快諾ありがとうございます。

第三者への配布などについては考えていませんが、社内の勉強会で使わせて頂こうかなと思っています。

投稿: ちょーろー | 2007年10月24日 (水) 18時22分

■ちょーろーさん
ブログ記事のため詳細部分はかなり端折って説明させていただきましたが、社内勉強会のお役に立てば幸いです。
来月、開発局の説明会もありますので、併せて参照されて下さい。

説明会後にまた記事を書ければと思っています。

投稿: 北海太郎 | 2007年10月24日 (水) 20時33分

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