2008年12月19日 (金)

ランブルストリップス

昨日、今月25日に竣工検査を迎える現場へ打ち合わせに行ってきました。

現場迄は片道約3時間程かかります。
お陰様で今年は雪も少なく、昨日は天候の大きな乱れもなく往復順調なドライブとなりました。

ここ数年北海道も地球温暖化の影響なのか降雪量が少なくなっている感じがします。
しかし、突如大荒れの天気となり短時間多量の降雪による遭難事故も発生しています。
北海道で冬期間運転する場合はそれなりの準備をして走行する自己防衛の必要もあります。
(決して笑い話ではありません!)




さて話は変わりますが次の写真にある道路の工夫をご存じでしょうか。
北海道にお住まいの方には常識かも知れませんね。
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はみ出し禁止の黄色線上に何か施されています。

これは

ランブルストリップス

と言われるものです。

中心線上に一定の間隔で小さな凹凸が付けられています。
この凹凸上を走行すると「ブ-ン!」という「唸り音」がし、運転者はその音を聞きハッ!とします。
私も何度かその音にハッとさせられた経験を持っています。

先日NHKテレビで北海道発の技術として紹介していました。

北海道は本州に比べ都市間距離が2倍と長く対面する2車線道路が多く、しかもし走行速度が高くなっています。
その結果センターラインをはみ出し対向車と正面衝突する事故が多く発生しています。
このような事故の多くは死亡事故に直結しています。

このような事もあり北海道は平成4年から平成16年にかけ13年連続して交通事故死者数全国一という不名誉な記録を続けてきました。

そこで(独)寒地土木研究所と民間の道路関連会社2社が共同で新しい防止策を考案しました。(現在特許出願中)

本州であれば道路鋲やセンターポールを設置してる場合を多く見かけますが、北海道ではそのような施設は冬期間除雪の妨げとなるため設置が控えられてきました。

しかしこのランブルストリップスは除雪時の障害もなく設置(施工)コストも低いため現在北海道内でかなり普及し対面衝突事故の大幅な減少効果を生み出しています。

その結果、平成17年から交通事故死者数全国一という汚名を返上する結果となりました。

今年も昨年以上に交通事故者数が減少しており全国ワーストワンを免れる事がほぼ確実となっています。

このような簡易で低コストによる交通事故防止策が考案されることは社会的意義は大変大きいと思います。

ただ少々残念に思えたのは、北海道にある公共研究機関と共同研究したのが本州に籍を置く会社であった事です。

できれば北海道に籍を置く企業にも是非頑張っていただき、有用な技術開発がされる事を期待したいと思います。

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2008年12月14日 (日)

ペレットストーブ

今月に入り電子納品関連の支援業務が一気に加速してきました。
私が支援させていただく現場も今月25日に竣工検査が決まり、いよいよ私の作業も本格化となります。

先月一度現場事務所にお伺いし前段の打ち合わせを行っています。



こちらの現場代理人さんの現場支援を行うのはもう4度目となりますが、毎回電子納品成果品作成支援の他に「工事概要資料」作成の依頼を受けています。

工事概要資料はPowerpointやVTR映像(ストーリー風に作成)により着手時から竣工までのプロセスをわかりやすく纏めたものです。
請負者は「創意工夫」として発注者へ提出します。

もちろん工事評点の加点狙いもありますが他に大きな意義が存在します。
工事概要の全体像を単に説明するのであればダイジェスト版工事写真アルバムで用は足りる事になります。

工事概要書は工事施工の詳細を説明するのではなく、着手時から完成に至る過程を10~15分程度に纏めたものです。

過去に作成させていただいた工事概要資料については発注者から「監督員、特に若手が現場施工の具体的手法や問題時の対処法を具体的に理解できる」と評価いただいています。

また、NETIS登録新技術等を採用した場合等はその作業工程を工事概要に組み込む事により実績例として保存でき後日今後の検討資料として利用が可能です。

実際3年前、高規格道路改良工事において採用した「GCCP工法」を含めた工事概要を作成した際、NETIS情報からだけではわかりにくかった使用機械やプラント設置ならびに現地測量の手順が実際の記録VTRを見る事により良く理解でき、これらを元に主要部分を編集し概要作成を行いました。

工事概要資料は発注者へ提出しますが、その内容の多くは発注者自体を意識するものではなく、地域住民や完成後それらを利用される人達にも理解いただける内容で作成します。

従って道路工事の場合等においては、そこに計画され作られる意義や完成後の効果なども簡単に説明します。

そしてこの資料は場合によっては一般市民への公開や学校授業の教材としても利用できます。
そのためには紙媒体で作成された工事概要書よりはDVD等に記録された資料の方が使い勝手が良く、保存複製も簡単です。
電子化されている資料のため、HPや他の電子媒体等への転載も簡単に行えるメリットもあります。



最近防護柵設置工事等において、その施工状況に関し動画での記録を指示される場合もあり、現場管理における動画活用が進んでいます。

騒音対策等、音の記録が重要な要素となる場合においては写真での記録ではその効果を認識する事が困難となります。
また、工事現場における時間当たりの進捗度を確認する場合や不可視部分の施工順序を確認する場合も動画による記録が非常に効果的となります。


具体的な例を提示させていただきたいのですが、お客様への守秘義務もありますので残念ながらここではその実例をご紹介できません。(申し訳ありません)

なお、これら工事概要作成手法について習得を希望される方がいらっしゃましたら、公的職業訓練施設における講座が来年2月~3月にかけ実施されます。
全ての講座はCPDS認定講座で、12~18ユニットを取得できます。
また、職業認定訓練のため助成金制度(受講者賃金一部補助や受講料の軽減)があります。

講座日程や助成金制度に関しては下記HPをご参照願います。

●建設110番HP
http://www.kensetsu110.com/




さて、今回ご依頼をいただいた現場事務所で工事概要作成に必要な資料をいただく事にします。

事務所へ入ると外の寒さとうってかわりとても暖かくなっています。

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そうなんです。
最近流行のストーブが置いてありました。

ペレットストーブ」です。

このストーブも「創意工夫」の一つです。

しかしただ単に「環境に優しいストーブ」としての説明だけではその意味合いも薄まってしまいます。

時代背景やそのコストも含めた説明も当然必要になります。


寒い北海道ではこの火を見るだけで暖かさを感じます。

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排気の状況です。

排気位置が高い場所に付けられているのは、仮設ハウス外の積雪により排気筒が埋まらないようにするためです。


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燃料の木質ペレットです。

触ると大変固い木材片の塊です。
20_20081211_ 事務所内に燃料のペレットが山積みになっていました。

22_20081211_ 袋に環境リサイクルの説明が描かれていました。



もしペレットストーブをお買い求めの際はこちらのサイトサイドバーからご注文下さい。
売れた場合は私にもきっと還元があるかと・・・(笑)



さて打ち合わせも終了し外へ出ると国道は粉雪模様でした。
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北海道も本格的な冬を迎えつつあります。

ここから我が家まで約3時間。
安全運転で帰る事にします。

そして今回この現場に相応しい工事概要資料の着手に入りたいと思います。

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